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株式会社 神戸製鋼所 様

株式会社 神戸製鋼所 様 全社的な輸出管理システムを構築、業務効率化に貢献

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鉄鋼、チタン、溶接、アルミ・銅の素材から、機械、エンジニアリングに至るまで幅広く事業を展開する(株)神戸製鋼所。成長するグローバル市場でのビジネスを強化していく中で、STC Manager® プロジェクトを発足し、グローバル事業の基盤である輸出管理業務の効率化を実現しました。プロジェクト成功に至る経緯や、STC Manager® の導入を検討している企業へのアドバイスなどを、プロジェクトリーダーとしてチームを牽引してきた、法務部 北川 雅裕次長に伺いました。

Q. 御社における輸出管理業務の特性についてお聞かせください。

国際情勢を考慮しつつ、緊張感のある管理が求められる重工業界

北川雅裕氏

(株)神戸製鋼所
法務部 コンプライアンス統括室
貿易管理担当次長 北川雅裕氏

輸出管理とは皆様ご存知のとおり、我々の製品や技術が大量破壊兵器を含めて軍事転用されないように、外為法に基づき、輸出等を審査・管理する業務です。
これには2つのミッションがあります。1つは社内管理でミスがあった場合は法令違反に直結するという、いわゆるコンプライアンスに位置づけられるもの。そしてもう1つはレピュテーション、つまり社会的評価や評判に関わるものです。例えば、海外の軍事品から我々の製品が見つかったとします。その場合、民間レベルはもちろん、国家レベルでのバッシングを受け、不買運動につながるという、企業としては絶対にあってはならない現象を引き起こす可能性も秘めているのです。特に、後者のミッションは、経済活動というよりは、国際政治の渦に巻き込まれるケースもあるため、非常に強い緊張感と奥深さを感じさせられる業務と言えます。
また、我々のような重工業という業界の製品は、基本的に鉄や、鉄の加工品である機械やプラント等ですから、「ボディそのものが武器に利用される」可能性があり、その社会的インパクトは、「製品が兵器の部品に組み込まれていた」というのとは異なる、独特の緊張感があります。さらに、我々のビジネスはB to Bであり、そして製品はお客様のニーズにあわせてデザインしカスタマイズされたものです。汎用品のように型式・型番単位で審査できるものではなく、同じ型式の製品であっても、構成されている部分品が異なることから、製品一つ一つに対して管理が必要という点も、かなり特徴的と言えるのではないでしょうか。

Q. STC Manager® 導入決定までの経緯を教えてください。

既存の簡易ワークフローシステムからの改良を目指し、イメージを具現化

弊社では、輸出管理業務を本社(法務部)で集中管理しており、過去は、営業等の実務担当者からの審査申請を複写式の紙の申請書を用いて行っていました。2007年1月から、一部申請件数の多い部署に限り、簡易ワークフローシステムを構築し適用。それは、紙の書式をWeb化しただけの非常に簡単なシステムでしたが、おおむね順調だったため、これに改良を施して、全社展開を計画しておりました。ところが、それまで安価で使っていたそのアプリケーションが、ライセンスリースの関係により使用不可能となること、また、そのライセンスを購入するとなるとかなりのハイコストになるということが判明したのです。そこで、それに代わるシステムを自分たちで作るか、またはカスタマイズ前提でパッケージを購入するかの二者択一を迫られたのが2010年の春でした。
その時にはワークフローシステムの改良計画が進んでおり、新システムの機能イメージはすでに具体化していましたし、正直、社内のシステム部門と連携してオリジナルで作成することは可能だと考えていました。ただそうなると、社内のシステム部門に対して、輸出管理の基本的な流れを理解してもらうところから調整が必要になりますし、またアプリケーションが使用不可になるタイムリミットも迫っており、通常業務と並行して開発業務を行うのは時間的にかなり厳しい状況でした。そこで、ある意味「時間を買う」という考え方でパッケージ導入の検討を開始。そこで目に留まったのがNTTデータのSTC Manager® でした。2010年の夏からヒアリングを開始し、パッケージを購入しつついかに自分たちが求めている機能をカスタマイズするのか、そしてそれが可能なのかについて、擦り合わせを始めることになりました。

Q. なぜNTTデータのSTC Manager® を選ばれたのですか?

ビジネスとして輸出管理をシステム化している点と、将来の官民一元管理化への期待

北川雅裕氏

その頃、輸出管理システムを売り出している会社はそれほど多くありませんでした。NTTデータは、自ら輸出管理を行っている立場ではなく、ビジネスとして輸出管理システムを販売しており、自社や業界のしがらみや、輸出管理に対する「イズム(固定観念)」が全く無く、我々の要望やニーズにシンプルに対応してくれるのではないか、という期待が、まずは判断の1つにありました。
また、NTTデータはもともと、通関情報処理システム(NACCS) *1や貿易管理サブシステム*2といった、行政機関の輸出管理や貿易関係システムを開発されています。つまり私たちが提出したものをチェックする行政側のシステムの仕事もしているわけです。近年は政府や役所関係の手続きも電子化が進んでいますし、長い目で将来を考えた時に、もしかしたらその辺のインターフェイスが繋がって行く可能性もあるかもしれない。もし将来、行政とのワンストップサービスが実現する可能性が少しでもあるならば、行政側のシステムを扱っている会社と共にシステムを構築しておくことは、我々のメリットになり得るかもしれないという期待がありました。もちろん、実現には、NTTデータの努力だけでは解決できない社会的仕組みの部分もありますから、あくまでこちらの「期待感」ではあるのですが(笑)。

*1 輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社が運営する官民共同利用型のオンラインシステム。国際物流に関連する民間業者と税関をオンラインで結び通関等の処理や民間業者の貨物関連業務を通じて国際物流のスピードアップや効率化を行える。
*2 外国為替および外国貿易法に基づく、輸出入許可・承認等の申請から税関への通関申告の際の輸出入許可・承認証等の裏書き処理に至る輸出入手続を電子化したシステム。

Q. プロジェクトの運営において、苦労された点はありますか?

カスタマイズのイメージや輸出管理の責任を背負う緊張感の共有が最大のポイント

先にも述べましたが、弊社にとって必要な輸出管理システムとはどのようなものなのか、そしてその実現に向けてお互いが言う「カスタマイズ」がどのレベルのものなのか、という共通認識をもつことが、プロジェクトを通しての最大の課題でした。
もともとSTC Manager® は、輸出する貨物や技術がリスト規制に該当か否かを判断する「該非判定」機能に強みを持ったソリューションです。例えば、電化製品の輸出なら型式を入力して効率よく審査できますが、我々の場合、お客さまにあわせて輸出する製品をカスタマイズするので、A社用とB社用では、名称や型式が同じでも中身が違う構成だったりします。そのため、データベースに蓄積した情報だけではなく、最終的には輸出案件の一つ一つを人の判断に頼る部分が存在し、それなりの責任と緊張感が伴います。まずは弊社における輸出管理の実態をNTTデータと共有しました。また、仕向地・企業又は用途に対する判断、つまりキャッチオール規制もとても大きな課題なのですが、STC Manager® のアプローチの仕方が我々の手順と少し異なっていたため、意識の擦り合わせや、システムをどうカスタマイズして活用していくか、なども検討しました。議論には時間もかかり大変ではありましたが、プロジェクトを進める醍醐味であり、面白さもありました。
NTTデータにはかなり難しい決断をしてもらったことも多々ありました。それでも皆さん、課題を投げかけると様々なアイデアを返してくれたり、実際にシステムを構築する段階では、早朝や深夜まで作業に携わってくださったりと、そこはさすが、数多くの企業でシステムを構築しているNTTデータという感じで、とても力強いパートナーでした。こうして時間をかけながら調整を行い、無事2012年3月に稼働するに至りました。

Q. 稼働後の活用状況や評価はいかがですか?

全社へのシステム展開により業務の効率化とスピードアップが実現

社内ネットワークにつながる環境であれば、どこからでもアクセスOK。

社内ネットワークにつながる環境で
あれば、どこからでもアクセスOK。
緊急輸出案件の多いビジネスにおいて、
出張中でもスピーディに承認できます。

2012年3月の導入以来、大きなトラブルもなく(小さなものは少々(汗)・・・・)、実際に活用する営業等の利用部署からも今のところこれといったクレームもないので、おおむね順調に導入できたと感じています。特に、今回を機に全社展開できたことが、業務効率の観点から、大きな成果につながりました。地方の工場や営業所をもつ全国ネットの企業にとって、紙ベースの情報の場合、ファックスやPDF化などで情報の共有に時間がかかるのがネックでした。それが今回のシステム導入で、申請に関する時間的なロスがかなり削減されたように感じています。例えば、審査があがってきたことを知らせてくれるアナウンス機能など、1つひとつは小さな機能ですが、それが今回のシステムに統合されたことで業務のスピードアップに繋がったと思います。
今回のシステム導入を自己評価するとしたら、社内的には80点以上です。課題へのアイデア出しや人的努力を惜しまずに、こちらが想定していた物を具現化してくれたNTTデータへの満足度はかなり高いですね。ただ、短期間にかなり無理をして機能を充実してもらった分、カスタマイズしたしくみの裏の部分が若干複雑になっていますので、もう少しシステム構成のしくみをすっきりさせることは十分可能だと思っています。今後の改善課題としてNTTデータと詰めていきたいですね。STC Manager® を導入した以上、これからも、彼らとは長いおつきあいになるでしょうから(笑)。

Q. プロジェクトを成功に導くためのアドバイスをお願いします。

発注側が何をやりたいのか明確にし、スピーディな意思決定を。最後は遊び心も大切!

北川雅裕氏

第一に、「時間はコストである」と認識することが大切です。弊社はもともと部下に仕事を「任せる」社風があり、ある程度の権限と責任を与えてくれる会社です。そのため大枠の承認を得ている限り、細かなことを一つ一つ上司や役員に報告したり確認したりすることなく、その場で即断即決できるのは、プロジェクトリーダーをするうえで恵まれた環境にあったと思います。例えば、我々がSTC Manager® を導入するにあたって、何社も相見積もりをとり、10人集まって1カ月検討していたら、それだけで見積もりの僅かな差がなくなってしまうほどコストの無駄になりますよね。発注側も受注側も気持ちよく効率よく仕事をするために、意思決定は早めが肝心です。
次に、発注者側は自分たちがやりたいことを明確にすること。単にシステムを導入しても、ソリューションにはなりません。自分たちが求めるソリューションのために、システムを使って何をどう効率化したいのか、クライアントが明確にゴールを示すべきだと思います。それにより、システムを作る側もどういう実現手段があるのか検討しやすくなるのではと思います。
また、システム導入は最初から欲張りすぎないことも大切です。やるからには一気にゴールを目指したくなりますが、カスタマイズという言葉には空想を膨らませる力があるので、みんなが好き勝手なことを言い出すと、すべてを実現するために複雑なシステムになり、お金がかかった割には結局誰も使わないというよくある失敗に陥ります。「業務のシステム化」とはシンプルに言うと事務作業の効率化がポイントですから、以前の我々のように、まずは紙を電子化するだけでもいいと思います。システムというものは決して1度では完成せず、数年毎に改修があるわけですから、その度に現場の利用者の声やストレスを汲み取って改善していく。現場の利用者の声は我々企画者の声よりも、予算や企画をとるための強い力になりますから(笑)。しかもその間にシステム会社も取引先を増やし、新しい事例や解決手段も身につけいくでしょうから、そこは長いおつきあいでお互い成長していけば良いのではないでしょうか。
そして最後に、大きなプロジェクトほど遊び心が大切!「ネットで見たあの検索システムってできないの?」とか「予測変換ってできないの?」とか、本当にできるかできないかは別にして(笑)、遊び心でなんでも厚かましく投げかけてみるというのは結構大切だと感じています。そこから何か新しいことが生まれる可能性がないとは言えませんからね。

大森理江氏

法務部
コンプライアンス統括室
大森理江氏

プロジェクトの成功のカギと、今後の展望について

このプロジェクトは、主管部門の法務部と全社システムを担当するIT企画部の共同プロジェクトとしてスタートしました。と言っても、法務部は私と北川の2名、IT企画部も2名という少人数でした。少人数でもプロジェクトがスムーズに成功したのは、プロジェクトメンバーの役割分担が明確だった事が大きな理由だと思います。北川は部下の私から見ても「そんなこともリクエストしちゃうの?」と思うくらい(笑)、明確な意志をもってどんどん道を切り開いて行くリーダーでしたし、弊社のIT企画部の管理職は進捗状況や課題のプロジェクト管理をきちっとしてくれるタイプでした(メールが夜中に送られてくることから、四六時中働いていると思われ、"鉄人"と呼ばれていました)。NTTデータは、我々のリクエストを真摯に受け止め、限られた時間の中でスピーディにアイデアを出して頂き、システム開発に力を注いで頂きました。定期的な進捗会議の場で、社内とNTTデータで、コアメンバーが一体となって情報共有に努めたので、常にぶれることなくプロジェクトを進行できたのだと感じています。
現在の私は、リリース後の問い合わせ対応や何か問題や不明点があった場合のNTTデータへの問い合わせ窓口をしていますが、現場の利用者からの評判もおおむね良く、審査業務が停止するような大きなトラブルもないのでホッとしています。システムを使う頻度は部署によってバラツキがあり、使用頻度の高い部署のユーザーは既にスムーズに使いこなしているのですが、頻度の低い部署では、今後しばらくは教育の回数を増やして、システム操作の周知を徹底していきたいと考えています。そのうえで、今後も現場の様々な声を拾いつつ、将来の改修のベースを整えていきたいですね。また、現在、NTTデータのパッケージで、輸出許可書(E/L)をNACCSから自動で取得できる「TradeBook®II」も導入したところです。今後は、STC Manager®と連動した、輸出入情報の一元管理も可能になりますし、税関の立ち入り検査などに対しても抜け漏れなく対応できるようになりますので、積極的に活用したいと思っています。

(インタビュー取材 2012年8月)